第58代 

理事長 永石 辰己

 

【はじめに】

我々が所属する大村青年会議所は本年で58年目を迎えました。創立当初とは時代背景も経済状況も全く異なり、人口が微増し続けている本市においても2020年をピークに人口減少に転じると推計されています。人は生産者であると同時に消費者でもあります。人口の減少は即ち経済の縮小につながり、人口流出や生産性の低下による産業衰退等の問題へとつながります。また、近年頻発している日本を脅かす災害は、我々が住み暮らす大村市にとっても決して他人事ではなく、事前の対策を行うことは喫緊(きっきん)の課題だと考えます。その様な問題や課題が多くある中、青年会議所活動を行う上で「やってやれないことはない、想いはいつか必ず実を結ぶ」と教えてくれた先輩がいました。我々は、まちづくりの最先端にいる青年として、先ずは大風呂敷を広げることが必要だと思います。そして大風呂敷を広げた後に内容を精査し、どうすれば実現できるのか、誰のために何のために、何をすべきか、という想いを常に心に持ち続け、我々が取り組むべきことを策定します。

 

故郷(ふるさと)大村のために】

2007年10月に大村青年会議所の門を叩いてから、9年以上の月日が流れた。入会以前は社業発展のことだけを考えていたが、人前で話すことや、自分の想いを伝える事が苦手だったため「一歩踏み出し自分を変えること」が会社を大きくし、従業員の幸せにつながると思い、会社の組織以外の団体に所属しようと考えていた。そんな折に、仕事の取引先であった青年会議所OBとの運命的な出会いがあり、青年会議所への入会を決意した。自分を変え、会社を大きくするために入会したはずであったのに、魅力的な先輩方と出会い、仲間と未来を語り合い、議論し活動を通して汗をかき、様々な役職を経ることでそれまでの考え方も大きく変わり今日(こんにち)の自分が形づくられた。自分本位の視点はいつからか、今まで育ててくれた故郷(ふるさと)大村や市民のために「自分ができる恩返しがしたい」そして、この大村青年会議所の後輩達に「今まで先輩方から学んできたことを伝えていきたい」という、他者に対しての感謝の気持ちへと変わっていった。大村青年会議所の歴史を紡いで来られた先輩方。また、青年会議所が開催する事業に参加していただいている市民の皆様。そして、大村青年会議所へ多大なる信頼をしていただいている各界各層の皆様がおられるからこそ、私達は胸を張って青年会議所活動を行える。その全てに感謝し、その想いを胸に刻み、我々は一年間運動を展開していく。

 

(きた)るべき時に備えるために】

2016年4月、二度に渡り九州を襲った地震は「九州は比較的地震の少ない地域」との認識を根底から揺るがした。毎日メディアから流れてくる凄惨な被災地の情報に、自分にも何か出来ることは無いかと思い、発災から四日後にパンや水などの救援物資を車に積み込んで、避難所や被災地、また資機材の集積地を見て回り、自分が出来る限りの支援を試みた。資機材集積地では全国より救援物資が届いているにも関わらず届ける先の情報が集約されていなかったり、現場で何がどれだけ必要なのか等、横の繋がりが見えにくかったりと、実際には救援物資の荷物降ろし作業を手伝っただけに過ぎなかった。また、支援物資を送る側も被災地が必要としていないものを多量に送ることにより、現地ボランティアの負担が増えるなど、見方によっては支援の押しつけとも言われかねない現状も見て取れた。そのような現場を体験するにあたり、2011年に発災した東北大震災での教訓が活かされていない現状に、まだまだ我々が考えるべきことが多いのではないかと感じた。比較的安全と思われていた九州がこのような震災に見舞われた今、我々が住み暮らす大村でも、いつ災害に巻き込まれるか分からないと強く感じた。その時、大村市民が少しでも不自由のない生活ができるように、私達が愛する故郷(ふるさと)を守るためにはどのようにすればいいのか。明日にも「この地域に災害が振りかかるかもしれない」と当事者意識を持ち、一刻も早く災害に備えたシステムを構築し、万が一への準備をすることが必要だ。本年はあらゆる団体と協議・協力し、いついかなる時に災害が発生しても迅速に対応できるシステムを構築するとともに、防災に対する市民意識の醸成を行っていこう。

 

【委員会との連携を図った広報を】

昨年の総務委員会の担いの中で、大村青年会議所の財産でもある、創立から57年に渡る大村青年会議所の歴史の整理整頓が行われ、古い資料の精査やデータの保存、引継が行われた。例年、総務の役割を担う委員会は会の運営を円滑に行うという職務があり、大村青年会議所にとってその役割や必要性は、どんなに時代が変わっても変わる事はない。しかし、組織の下支えや、定例会・総会の運営だけを担うのではなく、事業の主役になってもいいのではないかと私は思う。情報というのは我々青年会議所が貯め込んでおいても何の意味もなく、対外に向けてもっと効果的に発信することにより、大村青年会議所の事業や想い、歴史などを伝えられる。言わば、この委員会が中核となり他の委員会とより深く、横の連携を図りながら多くの情報を共有し活発になればなるだけ、より多くの市民に運動発信することができ、ひいては大村青年会議所への認知度が増えると考える。本年は全ての事業に対して総務広報という立場から他の委員会同士を繋ぎ合せ、様々な広報媒体による可能性を探り、効果的に運動を発信し大村青年会議所のファンを増やしていこう。

 

【青少年の育成がおおむらの未来を創る】

自分が親になって、初めて我が子を抱きかかえた時の感動は誰もが忘れることができないものであると思う。しかし、子どもを愛するが故の親の大きな愛情が、我が子に失敗や挫折をさせないように先回りしたり、子どもに代わって準備や段取り、意志決定をしたりといった、必要な程度を超えた干渉や過保護等が子ども達の自立を阻害する。その結果、子どもが自らの成長のために自分で考え、判断する大切な機会を失っているのかもしれない。新しい体験を通して仲間と大きな壁を乗り越えることができた時、子ども達の人生にとってそこで築かれた絆は大きな財産となり、成功体験が自信となり、これから起こるであろう様々な困難を乗り越えていく原動力となる。そして、心身共に成長した子ども達が大村に増える事が、ひいては大村の未来を創ることにつながると考える。また、度々メディアで取り上げられる子ども達が引き起こす様々な問題の原因は、子ども達だけにあるのではなく、周りの大人達の環境も大きな要因なのではないかと思う。本年は一歩踏込み、我々も含め大人達にも気付きを与えたい。自分の持つ視野や価値観の中だけで答えを出すのではなく、多くの人を訪ね知識を得てそれを基にした事業を構築していこう。

 

【資質向上の先にある会員拡大】

青年会議所にとって40歳で卒会という制度がある以上、継続した会員拡大は永遠のテーマであり、本年も同じ志をもつ仲間を一人でも多く集めていきたい。青年会議所に入会した1つの目的として、様々な理由で仲間を増やしたいと思う会員は多い。しかし、ただ青年会議所に入会しているだけでは、心から信頼し合える仲間に出逢える事はほとんどと言ってないだろう。そこには我々が自発的に活動し、能動的に行動を起こし、大村市が抱える様々な問題を解決する事業に取り組み、共に汗をかき、共に笑い、共に感動する体験を経た時に初めて、何物にも代えがたいかけがえのない絆で繋がった仲間が生まれる。しかし、単にその様な仲間を増やすために新入会員を入会させる事を目的にするのではなく、青年会議所はまちづくりのできる「ひとづくり団体」として、会員に様々な学びを提供し、切磋琢磨し自己の研鑽に励むことが会員一人ひとりの成長に繋がり、魅力溢れる会員が今以上に増えることが継続的会員増強につながる。本年も全会員で情熱を持って拡大活動に取り組むと共に、青年経済人として見識を深め自己の資質向上を図っていこう。

 

【創始の想いを紡いだまつりへ】

昨年も老若男女問わず大勢の市民が集い大盛況に終わった「おおむら夏越まつり」だが、先輩方が創られた創始の精神である「市民のためのまつり」とは、少し意味合いが変わってきているのではないかと感じる。先輩方はただ純粋に大村のまち、そして市民のために、また就職等で大村を離れた人達が、いつでも故郷(ふるさと)を思い帰郷の想いを馳せ、市民が大村のことを考え、誰もが参加し、誰もが主役になれるそんなまつりを描いていたのではないだろうか。現在の「おおむら夏越まつり」は、昨年と同様のまつりを開催する、すなわち大きな改革を行わないのであれば、メールや携帯電話等のインフラの整備が進んだ恩恵もあり、比較的大きな問題もなく開催できるようになった。しかしそれはまつりを開催することが目的になっており、我々青年会議所だけのまつりになっているのではないかと感じる。我々が市民主導へのまつりにしたいと願うのであれば、自分達がまつりの事を誰よりも知っていなければいけないと思う。そのために本年は、九州各地で開催されている様々なまつりを研究し、どうやれば市民が率先して参加するのか、どうすれば市民のまつりになるのかをまとめ、それを実行に移す時だと考える。そして今こそ創始の精神に立ち返り、もっと多くの市民を巻き込み、我々の手から少しずつ市民のまつりへとなるように、我々の意識変革と共に市民の参加意識も醸成していく必要があるのではないか。改めて言う、時期が来たから開催するだけの「まつり」から、自然発生的に「まつりに参加してみたい」へと市民の意識を変えていく必要がある。そこには新しい風を吹き込み、新しい血を入れていくことが必要である。それが100年続くまつりへと繋がっていくと私は確信する。我々は「変わらないために、変わる」

 

【七年に一度の機会(チャンス)

県内各地に七つの青年会議所を有する長崎において、長崎ブロック協議会の最大の運動発信の場である「長崎ブロック大会」が、本年は大村の地で開催される。七年前に大村で開催された長崎ブロック大会を経験した会員は40歳での卒会に伴い、数えるほどしか在籍しておらず、また近年では会員の平均的な在籍年数が短くなったことで、県内外の地域で開催される各種大会を経験していない会員も増えた。そんな現状において長崎県内で七年に一度回ってくるこの大会の位置付けをしっかり考え、これを負担ではなく全会員が成長できる機会(チャンス)、そして大村発信の機会(チャンス)と捉え、大村青年会議所一丸となって取り組みたい。経験不足という事を別の側面から捉えると、青年会議所の固定概念に囚われることなく、新しい息吹を(まと)った事業を展開することが出来るという事に気が付く。その事が結果的に大村のファンを増やし、大村に来てみたいと思う人が増え、大村市の活性化につながる。ただ単にブロック大会を開催するのではなく、なぜ開催するのか、何のために開催するのか、誰のために開催するのかを深く掘り下げて、その開催目的を大村青年会議所全員で共有し、心からのおもてなしの気持ちで、長崎ブロック大会に来てくれた市民や県内外の会員にとって、記憶に残る事業や大懇親会を企画・運営しよう。また、多くの会員で出向することで長崎ブロック協議会全体を盛り上げ、長崎の活性化へとつなげていこう。

  

【むすびに】

2017年新たな出会いが始まる。組織が変われば、話す相手も、行く場所も、考えることも、学ぶことも異なる。そんな新しい出会いを通じて自分の人生をより良いものへと変えていこう。周りを見渡してください。私達の隣にはお互いに信じ合い心を許せる仲間がいます、その周りには私達のことを理解してくれて、いつも温かい目で見守ってくれている大村青年会議所の先輩方がいます。そしてその周りには大村の発展のために、我々に期待をしてくれている市民の方々がいます。私達、青年会議所の会員一人ひとりが大村の光であり、我々が強く光輝くからこそ、大村の未来が変わっていくのです。すなわち、貴方がいるこの大村こそ、何にも代えがたい宝なのです.

 

成功も失敗も全て「成果」である

 

この言葉を胸に、誰もが40歳までと限りある青年会議所を大いに活用し、青年らしく一所懸命に「人生の、この大切な一瞬」を光り輝いて欲しい。そして仲間と共に魂が震えるような感動を感じて欲しい。

「新たな出会いが、全てを変える」

 

 

2017年度 

大村JCスローガン

感 謝

~ 想いをかたちに ~