第59代 

理事長 原田 岳

【はじめに】

1910年、米国ミズーリ州セントルイスでヘンリー・ギッゼンバイヤー・ジュニアがハーキュレイニアム・ダンシング・クラブをおこして以来、青年会議所は社会で、国家で、そして世界で必要な発言力を持つことができる青年を開発し、育んできました。我々はなぜ青年会議所が存在するのかその役割や可能性について歴史から学び、古き良き精神は大切にしつつも、昨今の環境に適合した革新的で洗練された青年会議所に変革させていきます。

 

JCIには機会の領域(Areas of Opportunity)というものがあります。1994年のJCI世界会議神戸大会の際に「ビジネスの機会」が追加され、1999年のJCI世界会議カンヌ大会を経て、JCIの機会は社会開発(Community Development)、自己開発(Individual Development)、ビジネス(Business Development)及び国際性(International Development)となりました。もちろん大村青年会議所においてもこれらの4つの機会を会員に提供するべきであります。BIBLE OF JAYCEE(2016,公益社団法人 日本青年会議所)においても次のように解説されています。

 

青年会議所は世襲経営者のサロンクラブではありませんし、単に社会奉仕を行う団体でもありません。(中略)青年会議所運動とは要するに“指導力開発と社会開発”である(後略)

 

 近年の大村青年会議所の活動はどちらかというと社会開発に重点を置いてきましたが、今年度は日本JCで定義されている、指導力開発(自己開発)と社会開発という両輪を意識しつつ、JCIで認められている4つの機会をバランスよく取り入れた運動を展開していきます。

 

我々は青年経済人として、地域のリーダーたらんとする青年の集合体です。そのためには仕事と青年会議所運動との完全な両立は必要不可欠ですし、両立させることができる時間管理能力、自己管理能力が必要とされています。これらの能力を養うことこそが修練であるといえます。「JC3倍、仕事も3倍」という言葉があるように、仕事をきっちりやり切ったうえで、JC活動をするからこそ、我々の運動が輝くのです。日本国憲法で定められた義務であり、我々青年経済人として最大の社会貢献である「納税」を十二分にしたうえでの、社会開発、自己開発ができなければ、我々の運動は色あせたものになってしまうのです。一方で仕事とJC活動は表裏一体であり、青年会議所で学んだことがらを仕事で活かすこともできますし、日ごろ仕事で使う手法をJC活動で活かすこともできます。今年度はよりいっそう、日ごろの経済活動とJC活動をリンクさせた活動を実施します。

 

今年度重視する時間管理能力及び自己管理能力を高めるためにも、時間は厳密にとらえ、会議においても事業においても、時間を厳しく管理します。何時間でも無限に議論を尽くすのではなく、定められた時間の中で最大限の成果を出す。これが時代に求められた時間観念です。昨今我が国の政府も推し進めている生産性の向上とは、まさしく単位時間あたりの成果物をいかに多くするかという、その一事に尽きます。そのために期限を厳守し、事前準備を綿密におこない、効率的かつ効果的な議論及び活動を展開します。

 

平成19年内閣府が中心となって「官民トップ会議」を開催、「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」を策定しました。それから10年経過した今、「家庭をないがしろにしたJC活動」は恰好のよいものではありません。むしろ世の中の常識から外れた論外な行動とも言えます。JCIが定める社会開発においても、「地域社会のニーズを認識する」という言葉があります。我々は時流をとらえ、社会の流れに柔軟に対応できる組織として地域社会で活躍し続けなければならないのです。

 

【経営力開発委員会】

JCIの4つの機会のひとつが「ビジネス」です。他の3つの機会に比べて表に出にくい機会ではありますが、青年経済人が青年経済人たるゆえんはもちろん「ビジネス」です。実際JCIの各種公式プログラムにおいても「ビジネス」を意識したプログラムが多数開催されています。我々は仕事においてもリーダーとしての活躍が期待されており、各々の立場において経営力を向上させる必要があります。今年度は「ビジネス」の機会を活用して、各会員及び市民のみなさまの経営力を向上させることができるような事業を計画します。

 

【災害対策委員会】

2017年度、大村青年会議所は大村市社会福祉協議会と災害時応援協定を締結しました。協定の締結はゴールではなく、スタートです。この協定をいかに実効性の高いものにしていくかということは、2018年度以降の我々の共通の課題です。他の組織と連携するうえで、枠組みは極めて重要です。枠組みなくして十分な連携は不可能ですが、細部まで踏み込んだ具体的な検討も同じく重要です。今年度は枠組みとしてできあがったこの協定に命を吹き込み、より実効性のある協定へと進化させるために必要な事業を計画します。

 

【青少年委員会】

青少年委員会は社会開発を行うための重要な委員会であるとともに、子どもたちを導くという自己開発の格好の機会を与える委員会でもあります。この機会を活用して子どもたちが大人になってから必要となる能力開発に貢献したいと考えています。「三つ子の魂百まで」という言葉があるように、子どものころ身につけた基礎的能力や習慣がその後の人生を左右すると言っても過言ではありません。今年度は子どもたちが、自分たちの能力を活かして、活躍できる大人になるために必要な基礎能力を養うような事業を計画します。

 

【研修委員会】

 JC運動の一翼を担うのが、指導力開発(自己開発)です。社会開発運動を展開することによって、自然と自己の能力が高まるということも真実ではありますが、学習と訓練なくして理論的な自己開発は不可能です。自分が経験することからのみ学ぶひとは成長の幅が極めて狭くなってしまいます。ビスマルクの名言として「愚者は経験に学び、賢者は歴史(他人の経験)に学ぶ」という言葉があります。今年度は研修によって、他人の経験や連綿と積み重ねられてきた先人の経験から学ぶ機会を創出します。

 

【まつり】

 おおむら夏越まつりが開催されるようになってから、はや40年が経過しようとしています。現役JCメンバーが生れた時にはすでにあった祭り。単なるフェスティバルではなく、故郷のまつりとして歴史を積み重ねてきたおおむら夏越まつり。我々はこのまつりをさらに市民のまつりへと進化させていく必要があります。いつの日かまつりが大村青年会議所の手から離れてしまったとしても、まつりは残り受け継がれる。そのようなまつりになるよう市内各種団体等と連携して、より「市民によるまつり」になるよう夏越まつり協賛会の企画・運営をサポートします。

 

【拡大】

拡大は青年経済人らしい、最新の手法を用いて実施します。従来の友人知人勧誘方式から、日ごろの営業手法を活用した方式に切り替えます。すなわち、訪問リストの作成からスタートし、セールスステップに則った科学的な手法によって会員拡大活動を全員で実施します。そのために拡大本部長が全員の活動状況を管理し、適宜適切な指導をおこないます。また拡大のための大村青年会議所パンフレットを作成し、拡大活動をしやすい環境づくりに努めます。さらに各委員会の公開定例会及び公開事業も会員拡大のツールとして活用し、拡大および事業への参加者増大という2つのメリットを得るべく拡大活動を実施します。

 

【広報】

 広報活動においては、インターネットを活用した広報に加え、各種メディアに対する広報活動を強化して、各種事業等にメディアを呼び込み、より強力に広報活動を推進します。また大村青年会議所が過去にどのような運動を展開してきたのか、今年度どのような運動を行う予定なのかということが分かりやすく伝えられるようなパンフレットを作成し、広報及び会員拡大に活用します。

 

今年度は青年会議所の最大の理解者であり支援者であるOBとのつながりを緊密にしたいと考えています。青年会議所が今何を行っているのか、現役メンバーが計画している事業等について、OBに対してより密に情報を発信します。

 

【定例会】

 定例会は会員が情報交換をおこない、JC運動について意思を統一する場でもあります。今年度は上記目的を達成するために、全ての会員が参加したくなるような定例会企画を策定します。さらに各委員会が計画する定例会は全て公開定例会とし、魅力的な企画を広く公開することで、企画に緊張感を持たせるとともに、会員拡大活動に貢献します。もちろんOBの皆様にもご案内し、我々の運動を感じていただける場をご提供します。

 

【会議・議案】

全ての会議及び議案に対し、特に時間や期限の厳密な管理を実施します。そのための事前配信、下準備等については厳しく指導します。会議においてはロバート議事法に則って、効率的な会議を心がけ、多数者の権利、少数者の権利および個人の権利にきちんと配慮した会議を運営します。議案については、全ての背景に根拠を求めます。根拠なき背景は単なる思い込みです。根拠となる文書や文献、根拠となりえる人物からの情報に基づいた客観的な背景を整理し、そこから導かれた妥当性のある目的を設定、その目的を達成させるための適合性のある手法で事業を計画します。そして会議においては、これらの計画の可能性と受容性について効率的に議論します。これらを実現するために、前年度中に議案上程ルール、委員会開催等について教育を実施しており、今年度はこれらのルールに則った厳正な会議運営及び厳密な議案作成に努めます。

 

【60周年に向けて】

来年度大村青年会議所は60周年を迎えます。今年度は60周年を記念してまとめる提言の一助となるよう、過去の運動についてまとめるとともに、これからの青年会議所がどのような役割を担うべきなのかということについて全員でまとめます。今年度まとめた成果物を次年度に引き継ぐことによって、スムーズに60周年という記念すべき年を迎えることができるよう準備をします。

 

【むすびに】

 我々が幅広い分野で運動を展開するためには、計画的な運営をおこない、適切なタイミングで確認をおこない、必要に応じてきちんと修正するという当たり前で地道な活動が必要不可欠です。地域の皆様の貴重なお時間をいただき、我々の限りある時間と資金を使って運動するからには、絶対に目的を達成させなければなりません。失敗を恐れて思い切った行動をとらないようでは、青年らしい溌剌とした運動を展開することはできませんが、絶対に目的を達成させるのだという気概を持って臨まなければ、何事も成し遂げることはできません。そのためには綿密な計画と周到な用意が必要なのです。今年度は周到な用意によってできる限り失敗の芽を摘み、青年らしい思い切った事業展開でそれぞれの目的を絶対に達成します。

 

 

 

平成30年度 大村JCスローガン

 

          用意周到 絶対達成