第60代 

理事長 中村 友久


 

 

 

はじめに

 

平成という一つの時代が終わります。振り返るとこの30年間様々な出来事が起こり、我々の暮らしも大きく変化してきました。戦後の復興より飛躍的な経済成長を遂げてきた日本でしたが、バブルの崩壊により100兆円規模の不良債権を抱える国となりました。誰もがいつまでも続くと信じて疑わなかった好景気は、平成の始まりと共に一転し不景気となり、昭和とは明らかに違う時代のスタートとなりました。そんな中、一時期は大変な問題となった就職難も、今では企業の雇用体制の見直しなど様々な働き方改革により少しずつ回復を見せていますが、超高齢・少子化の影響もあり特に地方においては、募集をしてもなかなか求職者とのマッチングが上手くいかず、人材の確保に大変苦労している状況があります。また身近なところでは、パソコン、携帯電話、インターネット、メール、SNSなど技術の進歩がこの30年で、考えられないほど我々の生活を劇的に変えてしまいました。この技術の発展により、誰もが簡単に世界中とつながることができるようになり、一人ひとりが持つコミュニケーションの在り方や、人と人とのかかわり方までもが大きく変容し、今までの常識では測れないものとなりました。

 

世の中は常に変化し続け、我々はその中で常に頭を切り替えながらこの変化に順応していかなければなりません。しかし、順応することで我々の性質や行動が変わっても、そこにある真理や信念は変わることはありません。新しい時代を迎えるにあたり目先の利益だけを追い求めず物事の真理を捉え、これからやってくる未来に向けてポジティブに創造していくことこそが若者の使命です。郷土おおむらの未来のために何ができるのか、私たち大村青年会議所がなぜ必要なのか、そういった根本的な存在理由をメンバー一人ひとりが真剣に熟考し、明確な答えをもって様々なことにチャレンジし、さらなる10年後の未来を描いていきます。

 

 

 

過去から未来への力強いバトンを(60周年)

 

本年、大村青年会議所は設立から60年目を迎えます。昭和34年10月5日25名の若者達が明るい豊かな郷土おおむらを志し、この団体を設立してから245名の先輩方が真剣に地域と向かい合ってきました。周年という節目の年を迎えるにあたり、本年は青年会議所の先輩方へ感謝の気持ちを今まで以上に伝え、これからの郷土おおむらを共に語り合う年となるでしょう。今の我々が大村青年会議所の運動を行えるのは、先輩方の汗と涙の結晶であることをしっかりと理解することはもちろん大切ですが、そこから大村の未来を描くことこそが我々に求められていることです。大村青年会議所が60年の中で郷土おおむらとどのように関わってきたか、その軌跡をメンバーだけに限らず多くの市民の方にもわかりやすく伝え、60年目から10年後の郷土おおむらの姿と我々が進んでいく方向を鮮明に描き、未来へ力強いバトンを渡します。また、郷土おおむらに住み暮らす多くの市民の方や各種団体、行政の皆様のご協力とご理解なくしては我々の60年という歩みもありませんでした。本年は皆様へ恩返しとなるような、地域の枠を越え様々な方に開かれた印象に残る記念事業を開催し、郷土おおむらの魅力とさらなる可能性を皆様と共に実感します。

 

 

 

九州中とのふれあいは我々の思考に革命を起こす(地区大会)

 

本年は大村青年会議所創立60周年を記念して、九州地区大会を大村の地で主管します。過去1995年に主管して以来24年振りとなるこの機会を通して、改めてメンバー一人ひとりがお互いを思いやり助け合うことの大切さを再認識しながら、圧倒的な団結力を持ってこの大会を成功へ導きます。そして、大会構築にあたって細やかな情報の共有を各団体や行政と行い、我々だけではなく地域として九州から集う約3500名のメンバーをお出迎えすることで、今の郷土おおむらの魅力を一体感を持って発信し、この地域が持つ未来の可能性を最大限に引き出します。また、九州の中には78か所の青年会議所があり、我々と同じようにそれぞれのまちで暮らし働き青年会議所運動を行っています。九州各地のまちの特色を活かしながら、運動を展開しているメンバーたちとの出会いやふれあいの中で感じる様々な発見は、大村青年会議所メンバーの中に新たな価値観を見出し、こらから10年先へ向かう原動力となり我々をさらなる高みへ進化させます。

 

 

 

軽やかな情報の発信(魅力発信)

 

SNSやインターネットが劇的に普及している現代において、情報の質は常に求められますが、同時に鮮度も大切な要素です。情報の発信源はメンバー一人ひとりであることを改めて認識しそれぞれが当事者意識を持ちながら、この質と鮮度の重要度に応じて臨機応変に大村青年会議所の魅力を爆発的に発信し続け、10年先を見つめた我々のブランディングを積極的に行います。また、我々の運動を力強く進めていくためには、同じベクトルを常に共有する必要があり、そこで情報の果たす役割はとても重要です。外への発信だけではなく我々メンバー間においても密な情報共有を行い、すべてのメンバーが常に大村青年会議所の最新情報を認識し、ストレスなく運動に向けて邁進できるような環境を構築します。

 

 

 

広い視野からのまちづくり(まちづくり)

 

近年我々は本当に郷土おおむらの課題をしっかりと捉えることができているのでしょうか。青年会議所の事業が我々の独りよがりの事業ではなく、市民が進んで参加してくれるようなニーズを今以上に明確に捉えた事業となるために、これから郷土おおむらの未来を担う若者のリアルな声を細やかに集める必要があります。また、大村市は長崎県内でも唯一人口が増え続けているまちです。なぜ増え続けているかは様々な理由がありますが、他のまちと比べた時に住みやすく便利なまちであることは一目瞭然です。競艇発祥の地であるボートレース大村をはじめ、自衛隊3部隊が長年にわたり駐屯し、山の上にはさらに新しい工業団地が予定され、海には長崎空港がある。そして3年後に迫る九州新幹線長崎ルートの開通と車両基地の新設、本年10月には県立図書館のオープンと、このまちは限りない可能性を秘めています。まちづくりという言葉が生まれたのは昭和22年ごろからで、戦後日本の中で復興に向けて急激に使われるようになっていった言葉です。そこから70年余りの歳月が経ち経済状況やトレンドなどが変容し、目に見える様々なものが変わってしまいましたが、それでも時代の流れに合わせ変化しながらまちづくりは脈々と続いています。60年前に大村青年会議所が誕生した時のまちづくりと、今私達が考えるまちづくりはまったく違うものかもしれません。しかし、まちづくりに携わる我々の郷土おおむらに対する想いや考えなど本質的な部分は何も変わりません。10年先に待っている未来をイメージして、今行うべきまちづくりは何なのかを考え抜き、今までより遥かに広い視野から見つめた郷土おおむらのさらなる可能性を創出します。

 

 

 

意識変革こそが我々の王道(市民意識醸成)

 

日本では毎年どこかで自然災害が発生し、大きな被害をもたらしています。郷土おおむらにおいては比較的安全なまちと言われていますが、どこでも同じように言われている中で発災し、準備不足が多くの方の命を奪っていることは周知の事実です。我々は2017年に大村市と大村市社会福祉協議会との間で災害時の支援における三者協定を結び、昨年はその中で大村青年会議所ができることをより明確化するためのマニュアル作成を行いました。本年はこのマニュアルをさらに実効性があるものへと進化させるとともに、市民の皆様が身近にできることを通して、10年後の未来へつながっていく防災に対する意識を醸成します。また、去年日本青年会議所の定款にビジネスの機会についての内容が盛り込まれたのと同時に、大村青年会議所の定款にもビジネスの機会を明記しました。よく青年会議所はまちづくり団体だから、ビジネスの話は似合わないと言われることがあります。しかし、ビジネスとまちづくりというものはものすごく近い存在なのです。そして、これから先求められるビジネスは、地域の課題解決に寄与できるものであると私は考えます。まちづくりについて真剣に取り組んできた我々だからこそできるビジネスのかたちを、個人、地域、国際、ビジネスからなる青年会議所の4つの機会を最大限に活かしながら、郷土おおむらの未来の新たな可能性を多くの市民の方へ伝播します。

 

 

 

未来を生き抜く力(未来力)

 

私達が子供のころ考えていた未来と、今暮らしている現在はどれほどの違いがあるでしょうか。それは一気に変わるものではなく少しずつ変化していき、また我々自身も知らぬ間に周りの状況に合わせて順応してきているので気付くことはないのかもしれません。しかし、改めて考えてみると私たちの想像を遥かに超えたものが身の回りに沢山存在します。今の子供達が大人になる時、AIは人間の能力を越え現在の職業の65%は消滅すると言われています。我々の子供達が迎える未来は今まで以上にまったく想像もつかない時代になるのです。そのような時代に必要な能力は機械にはできない、人間だけが持っている心を使う能力であり、感情を持って物事を判断する力やコミュニケーションをとる力、多くのことを創造する力です。子供達が10年後どのような未来で生活し、その時どのようになっていて欲しいかを様々な意見をもとに導き出し、未来を生きる子供達が他者と協力し合い、お互いを尊重しながら一方では自分の意志で達成できる強さを育みます。また、今年もわんぱく相撲大村場所を開催し、礼の精神と勝者を称え敗者を思いやる気持ちを子供達の心の中に培います。本年は第1回わんぱく相撲全国大会女子の部が開催されます。女子も参加できる全国大会を全面的にPRし、地域の隅々にまで声を届け子供達が大きな夢を持って参加できる様に促します。

 

 

 

誇り高きJAYCEEへ(人間力)

 

ピーク時は全国で8万人を超える会員数を誇った日本青年会議所も、今ではその半数を切り全国的に会員数が減少傾向にある中で、大村青年会議所はメンバー数が増加し続けている稀な青年会議所です。メンバーが増え続けるということは、多様な意見や可能性の幅が広がり団体を活性化してくれますが、一方でメンバー一人ひとりが学びを怠っては、団体としての能力を十分に発揮できなくなります。青年会議所は40歳までのまだまだ未熟な青年経済人の集まりであり、若者らしく積極的に多くのことを学ぶことで立派な経済人の一員となります。これからの10年、大村青年会議所が魅力ある団体として存在し続けるために、社会開発と同様に指導力開発にも力を入れ様々なプログラムを実践し、大村青年会議所の中に脈々と受け継がれてきた多くのことを徹底して学び、何としてもこだわり抜く部分は頑なに守り、時代に合わせてさらに進化させる部分は速やかに変化させ、メンバー自らが今より誇れるJAYCEEとなれるよう自己研鑽を行います。また、我々はまちづくり団体ですが決してまちづくりの専門家ではありません。郷土おおむらが抱える課題や行政では手の届かないところを知るために、メンバー一人ひとりが専門家の方々と積極的に意見交換を行い、我々だけの想いではなく行政や多くの市民の方を巻き込み参画していただけるような団体へと進化します。

 

 

 

当たり前を今一度考える(礎となる)

 

青年会議所活動は仕事ではありません。ですから日頃優先されるのはそれぞれの社業であり家庭であることは当然ですが、限られたメンバーで様々な運動を構築する中で時間との闘いになることも多く、日中走り回ることもあれば夜遅くまで及ぶことも多々あります。我々にとってはとても貴重な経験をさせていただき自己成長にもつながっていますが、犠牲になっているのは家族であり周りの方であり、だからこそ青年会議所活動を行う中で家族や周りの方へ日頃より感謝の気持ちを伝えることはとても大切です。大村青年会議所では毎年家族交流会を開き、メンバーとその家族が共に時間を過ごし感謝の気持ちを伝える機会を作って来ました。本年は家族の大切さをメンバー一人ひとりが改めて考える時間を今まで以上に設け、真っ直ぐな想いを皆様へお伝えします。また、我々が青年会議所運動を全力で発信して行くためには、先輩方からの協力は欠かすことができません。毎年OB交流会を開催しておりますが、本年は例年に増して先輩方との交流の機会を作らせていただき、私達が青年会議所運動を行う意義にメンバー一人ひとりが今一度立ち返る機会を創出します。当たり前の存在だった家族や先輩方と想いを持って接することで、皆様との絆がさらに強まることはもちろんのこと、メンバー一人ひとりが今まで見逃していた沢山のことに気付かされ、私達のより一層の成長へつながります。また、月に1度の定例会は全メンバーが集い情報共有を行える唯一の機会です。このかけがえのない場所に、メンバー一人ひとりが今まで以上に楽しみながら積極的に参加できるよう徹底した準備を行い、厳粛な中にもユーモアと躍動感の溢れる定例会を開催することで、我々の機運を益々盛り上げます。

 

 

 

おおむら夏越まつりの進化(進、まつり)

 

おおむら夏越まつりも数えると今年で40回目を迎えます。それと同時に20歳から40歳までの青年会議所メンバーは、全員生まれた時からおおむら夏越まつりが当たり前のようにあった世代となりました。生み出したまつりから、つくるまつりとなり、あって当たり前のまつりとなった今、10年後のおおむら夏越まつりはどのような姿をしているのでしょうか。郷土おおむらのまちおこしとして始まり、今ではこの日をめがけて多くの人びとが帰省するようなまつりへと成長したこのおおむら夏越まつりを、さらに進化させるためには、10年後の姿を明確に描きそこに向け今までとはまったく違う観点から、神事を核とするまつりの本質からずれることなく、自由で新しい発想を吹き込むことがこのまつりを次のおおむら夏越まつりの姿へと進化させます。

 

 

 

夢を共有する仲間を集めよう(夢の拡大)

 

大村青年会議所60年の歴史の中で多くの方々が入会し、40歳になり卒会していきました。卒会がある以上、青年会議所を存続させていくためには常に新しいメンバーを増員する必要がありますが、会員拡大はそれだけではありません。青年時代のまだまだ未熟な我々だからこそ同じ世代の仲間と多くのことにチャレンジし、挫折し苦悩しながら何かをやり遂げた経験はかけがえのない宝となります。人は理屈ではなく心で動きます。情熱を持って、40歳までという限られた時間を共に活動したい仲間を自ら探していきます。また、様々な業種の方をお招きしての交流会や先輩方との交流会を積極的に開催し、郷土おおむらのために活動をしたい仲間を幅広く見つけていきます。そして、入会した新しい仲間が青年会議所の魅力を最大限に感じ生き生きと活動ができるように、青年会議所運動の意義や目的を学べる機会を積極的に提供し、メンバーと共に学ぶことで同志としての友情を育みます。

 

 

 

積極的に開かれた大村青年会議所へ(運営)

 

大村青年会議所は60年の歴史の中で今まで数多くの事業を開催してきましたが、ほとんどの事業をメンバーで運営してきました。これからは我々の団体をさらに活性化するため積極的に開かれた団体となり、我々の運動や活動をメンバーと一緒になって多くの市民の方が参画できる環境を作っていきます。また、国内外問わず姉妹都市友好都市のまちと青年会議所の広がりを最大限に活用し交流を行い、まちとまちとの絆を青年経済人としての観点から育みます。そして、我々の運動をより鮮やかにしていくために、他青年団体との交流会を積極的に開催し、密に情報交換を行うことで、それぞれが高め助け合う環境を構築します。

 

 

 

終わりに

 

我々大村青年会議所は決して仲の良い友達の集まりや、ただの経営者の集まりではありません。青年時代を共に駆け抜けた最高の団体と、メンバー一人ひとりが自負できるためには、己に甘えず、ぶれることのない真理や信念を明確に持ち、今一度組織が十分に機能しているか、我々一人ひとりがこの団体を見つめ直すことで、大村青年会議所は統一感と迫力のある唯一無二の団体へ進化し、その力は次代へ脈々と受け継がれ、10年後、さらにその先の力強さに変わると確信しています。変化が起こる時そこには必ずチャンスがある。チャンスは常に活気づくことで生まれる。常に前向きに、常に求め続ける、歴史を学び感謝し、そして未来を見つめ徹底して挑戦しよう!!

 

 

 

 

 

スローガン

 

 完全未来思考 

    ~極限と戯れ、さあ!限界突破!!~

 

公益社団法人大村青年会議所 2019年度 

 

 

中村友久